ほぼ一週間ほど前の朝日新聞ですが、なんと一面にこんな写真。
ええ、これは中国でのお話で、犯罪者とされる人をさらし者にする集会がしばしば行われているという記事。
犯罪者といっても、それは「県政府に対する不満を訴えようと北京に陳情にいった女性」であったり、「区画整理で収容された農地補償を求めた陳情を行った男性」だったりで、本人たちは「私は何も間違ったことはしていない」という行為を行った人たち。
つまり、構図としては、「地方政治の腐敗を正そうと手を尽くした果てに中央政府へ陳情」した人を対象にした、地方当局の暴虐な仕返しであり、さらにそれによって「新たな陳情」を抑制しようということ。
とても心の痛む話しなのだけれど、弱ってしまうのは、これが「海の向こうのお話」だけにとどまらないこと。
「ひどいねえ、中国は…」
というわけにはいかないのですね。
たとえば、ちオリンパスでのパワーハラスメント事件は裁判にもなって、高裁判決が出て、さらに上告されています。
有名な事件なので知ってる人も多いと思いますが、あるオリンパス社員が、オリンパスの法令違反に該当する行為を会社のコンプライアンス部門に通報したところ、それがそのまま該当上司にリークされ、結局、その社員が何年もにわたって「社内さらし者」にされた(いや現在進行形か?)という事件。⇒詳細
日本でも、「秩序を乱す行為」は、たとえそれが正しいことであっても、罪として糾弾されるという理不尽がたくさん起きているわけで、そういう意味では中国の事情を「ひどいねえ、中国は…」と棚には上げられない
しかし、朝日新聞はどうしてこういう記事をわざわざ一面トップに掲載したのだろうか?
■想像してしまう理由その1
これは地方政官の悪行で、中国中央政府はきちんと陳情を活かしたい善玉である、と主張したかった。
⇒ん〜、正直、これはどうだろ。まさかねえ…。
■想像してしまう理由その2
中国はこんなにたいへん、それに比べれば日本の言論はなんてフェアなんだろ、という印象操作。
⇒なんとなく、ありそう。
■想像してしまう理由その3
日本にも似たような例はたくさんあるけど、それを記事することはいろんな事情でできないので、他国の事情を載せることで、わかる人に警鐘をならす。
⇒いや、だったら、その「記事にできないこと」をきちんと記事にして欲しい。
この3つのうちだったら、2番目かなあ。
どうでしょ。