「電子書籍革命の真実」…「電子書籍の正体 (別冊宝島)」よりはだいぶマシでした。

電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ (ビジネスファミ通)」という本、少し前に読みました。
副題が「未来の本 本のミライ」なのですが、なんど見ても「本のミイラ」と見間違えてしまう…。
ま、感想を記す前に、わたしとしては、
「電子書籍とか言っても、なんでそんなに騒ぐ?」
という感が、実はありました。
ケータイ小説だって電子書籍だし、ちょっと前までフリーターをやっていた青年が大儲けしている情報商材(と言われるPDF書類)だって電子書籍です。
わたしが書いた小説をPDF化して、それをペイパル決済で有料頒布すれば、それだって電子書籍でしょう。
こういっちゃなんだけど、そのへんのちびっ子たちはもうとっくにやっているじゃん…というのが私の感覚。
大人たちはいつも後からやってきて文句ばかり言う…あっ、わたしも大人の歳ですね、十分。
それはさておき、内容的には「本のミイラ」ではなく、わりとライブ的な感じで好印象でした。
前半で説明される、電子ペーパーと液晶の違いもよくわかりました。
それによる専用機、汎用機の違いもよくわかりました。
でも、もっとおもしろいのは第4章「ぼくらになにが起こったのか」以降でしょう。
作者が実際に電子書籍版を出す顛末が書かれていますが、
こういったリアルインテリジェンスは歓迎です。
そこで実際につまずいたことや、ぶち当たった壁、
それをどう迂回してトライしたのか、
こういう情報はとても意味があるし、参考になります。
これに比べると、「電子書籍の正体 (別冊宝島) (別冊宝島 ノンフィクション)」の読後感は最悪でした。
「結局、電子書籍は儲からない!」とかいう言葉がバシバシでてきて、つまりは、電子書籍というフォーマットを利用して「金儲けしたいけど面倒じゃん!」という愚痴みたいな内容に読めました。
強烈に乱暴に言えば、書籍出版って、「作家」という生け贄を料理して、より多くのギョ〜カイ人が金儲けをするビジネス。
その立場の人たちから見ると、電子書籍ってこう見えてるんだなっていう感じ。
表紙にでっかく「宮部みゆき」っていう有名作家の名前を配しているのも、とてもアザトイやり口です(実際は数ページのインタビュー)。
値段は680円ですが、わたしはあんまりおすすめしない本です。
ところで、電子書籍だと海賊版が気になります。
現に、「1Q84」なんかの海賊版なんかもアップルストアで売られ、モンダイになってたりします。
そして、その海賊版の売上の数十パーセントはアップルにも入るわけです。
これは、アップルは「泥棒の片棒を担いでいる」という状況ではないですか。
この問題はアップルだけじゃなく、他でもある問題…。
音楽では、それで「食えなく」なった仲間とか実際にいます。
わたしの中でもうまい解決策がうかびません。
どうしたものか…。

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