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また少数派になりそうだけど、東京オリンピックを考えてみる。

オリンピック精神にも反する女子柔道での暴力指導などの問題で、ここのところ少し圧力が弱い感もありますが、基本的に2020年東京オリンピック開催へむけてのキャンペーンがすごいです。
電車に乗れば、笑顔の東京都知事が「楽しい公約」と宣していたし、テレビの報道や番組内の雰囲気も「みんなで招致を成功させよう」的な空気満載です。
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先日、島根の実業家・濱本浩二氏のFacebookでこんな記述がありました。
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①→オスカーは何故この子をプッシュするんだろ。意味不明。
②→剛力って強そうな苗字だな
③→雑誌、CMで連日連夜目に入ってくる。興味無しッ!
④→10回に1度くらい奇跡のショットで美人に見える
⑤→あれ?見間違い?なんか可愛かった様な・・
⑥→あれれ・・不細工では無いな。思ってたより。
⑦→アリかナシか。「完全なナシ」ではないかもしれない
⑧→いや。実はこういう子が美人なのでは!?←今ココらへん。
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これは、「何度も目にする、何度も耳にする、何度も顔を合わせと人間は好感を抱きやすい」という心の法則に則った現象で、ザイオンス効果とも呼びますね。
おそらく同じ効果がオリンピックキャンペーンでも功を奏しているんでしょう、2016年の時には、「招致反対」て言ってもそんなに浮かなかったのが、今回は、「招致反対」っていうと叱られそうな世相になってないですかね。
で、どうやらすでに少数派になってるかもですが、わたしはオリンピック招致に疑問を持つスタンスです。理由はいろいろありますが、まず、お金です。
前回の2016年招致活動の時の経費が150億円と言われます(直接的な招致経費が55億円、オリンピックムーブメント推進経費が95億円)。
このお金で、「招致気運盛り上げキャンペーンイベント」とか「お祭りキャラバン活動」とか「都関連施設における招致ロゴ装飾物の制作」とか「メディアに対する発表・情報提供等」とかが行われ、さらに石原さんご一行が贅沢クラスの渡欧を果たしてるわけです。
ちなみに、東日本大震災の時の仮設住宅の建設費は、1戸あたり解体も含めて800万円と言われますから、150億円は1875万戸分になります。
一万世帯分の電気をまかなう風力発電機だと、機器本体と工事で2億円らしいですから(送電設備などは除く)、それが75機分。
と、まあ、前回の150億円はそれが見事に「夢の泡」と消えたわけです。
んで、2020年は「今度こそは!」ということもあるでしょうし、前回の招致費用を上回る可能性も大では、とわたしには思えるのです。
「金がかかってもイイ、経済波及効果が期待できるんだ」
という声もあります。
産経ニュースによれば、「五輪が開催された場合の経済波及効果を約3兆円とする試算」が発表されています。
そもそもこの「経済波及効果」ってシロモノからしてあやしい、と私はにらんでたりするのですが、ともあれ、過去の実績をみてみましょう。
1998年は、日本で通算3度目、冬期で2度目のオリンピックがありました。
それが長野オリンピックですが、招致に約25億円かかり、施設の建設に約1400億円かかり、大会運営に1000億円以上かかり、関連道路建設で2479億円かかっています。
招致でイベントを企画した人や賄賂をもらった人、建設業の人、運営の人材派遣した人、道路を作った人はもうかったでしょうし、そのお金は飲食・遊行・消費を通じて周囲に経済波及効果をもたらしかもしれません。
でも、結局、長野県は県債を発行してまかなっているので、県民は一世帯あたり200万円の借金、白馬村では一世帯あたり500万以上の借金になるのだそうです。
さらに、オリンピックのために建設した施設の維持管理費は、大会終了後ものしかかり続けるわけで、「長野五輪の経済波及効果4兆6803億円(県推定結果)」という数値が絵に描いた餅にしかわたしには見えません。「経済波及効果4兆6803億円」と言っても、決して4兆円が降ってくるわけではなく、「(自分や税金も含めて)4兆円を使ったよ」ということでしかないのですから。
お金だけではありません。
「大イベントの時にはいろいろなことが隠され、棚上げされる」
ということもとても気をつけなくてはいけないと思います。
大イベントというのは、いわば緊急事態です。緊急事態に対処するために全員が同じ綱を握り、同じ方向へ綱引きしなくてはならなくなります。
そんな時、個々の細かな事情は多くの場合、斟酌されません。
また、イベント達成のために不都合な事柄は隠され、捨てられます。
さらにさらに、イベント達成という大願成就のために、今もなんの解決がなされていないさまざまな問題が、棚に上げられます。フィルターをかけられて見えにくくされます。時には「なきもの」にされます。
要は手品やマジックと同じです。
ひらひらと華やかに片手が動けば、人の目や心はそちらへ奪われます。
手品では、その間にもう片方の手で花を隠したり財布を隠したりしてますよね。
わたしは、そうなってしまうことがとても怖いのです。
ということで、わたしはまだオリンピックについては「そんなことしている場合なの?」というスタンスなのであります。
「忘れちゃいけないことがまだあるじゃん、そっちが先でしょ」と言う感じ。
と思ってるわたし、またしても少数派なのでしょうねぇ。

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